療育っ子と時間管理
~時間に間に合うように行動する難しさ~
普段から少しテンポがゆっくりな我が家の療育っ子。
ここで言うテンポとは、一つ一つの行動のスピードです。
我が家の療育っ子には何か目的に向かって行動する上で、課題になっていることがあります。
- 行動を起こすスイッチのON/OFFの切り替え
- 行動のテンポを保つ
- 時間に間に合わせることへの理解
毎朝の登校の準備、これが本当に大変なんです。
まず、てんかんの薬の副作用(眠気)のなのか、
寝起きが悪い。
毎朝目覚ましをかけていますが、
目覚ましで起きてくることなどほとんどなく、
目覚まし時計が鳴りやんでも寝ています。
起こしに行きますが、まず一度では起きません。
カーテンを開けて、電気を付けて、
さらには布団をはいで、
3度くらいは起こしに行く必要があります。
幸い学校は楽しく通っていて、
行きたくないわけではないので、一応起きたら準備に取り掛かります。
それでも眠気が勝っている時は、
なかなか「行動スイッチ」が入らず、食卓に座ってボッサリしている時もしばしば。
こうなると毎朝、
必死にミッションをこなす母と迫る時間の鬼ごっこのようです;;
【ミッション1】
療育っ子の行動スイッチを入れろ!
朝の登校準備は、
我が家の療育っ子にとって「学校」という目的が魅力的なものであるため、
「学校行かないの⁉」という問いかけも割と有効です。
それでも朝の眠気に勝てない時、
また、登校準備ではないとき、
それも療育っ子のモチベーションが期待できないときには、
より目の前の目的を魅力的にすることが求められます。
例えば
・好きなものをメニューに入れる
・新しい歯ブラシなどのアイテムがある
・準備が終わったらご褒美がある
などです。
好きなメニューとは、献立すべてが好物でなくても、
大好きなウィンナー、
ゼリー、
菓子パン
など、本人が必ず喜んで食べるものを用意しておく感じです。
我が家では
寒い時期にはキャンディチョコ、
寒くない時期にはスティックタイプのゼリーを
常備しています。
朝ごはんの時だけは、
それらを先に食べてもいいことにして、とにかく「食べ始めて」もらう。
それでも食べ始めなければ、
「あーん♪」と食べさせてみる。
(母の機嫌に大きく左右される笑)
こんな感じで、行動スイッチを入れる努力をしています。
本音を言うと、
行動スイッチって人が常に押していていいものではありませんよね。
自分で切り替えられる日が来ることを切に願う毎日です・・
【ミッション2】
療育っ子の行動テンポを死守せよ!
さて、行動スイッチが入ったと言っても油断大敵です。
我が家の療育っ子の行動スイッチは、
簡単に切れてしまうからです!
入れるのは難しくて、人に押してもらうクセに、
切るのはさっさと勝手に切られてしまいます;;
もちろん本人は無意識でしょうけど。
朝ごはんを食べてもまだまだやる事がたくさんあります。
次にやる事が分かっていても、
何かに気を取られてしまったら、そっちにフラリと行ってしまいます。
また、次のことを始めても、
何も考えずにボッサリしてしまって、
いつまでも歯みがきをしている、
トイレから出てこない、
なんてこともしばしば。
「そろそろ終わって!」
「次のことして!」
こんな声掛けが欠かせません。
今のところ、
療育っ子が時間通りに登校できるのは、
ひとえに母の時間管理のおかげなのです。
本人には分かってはもらえてないだろうと思います。
うるさいな、
すぐ怒るな、
なんて思ってるんでしょうね。まったく!
【ミッション3】
療育っ子に時間管理の意味を伝え続けよ!
我が家の療育っ子は特別支援学校に通っているので、
登校にはスクールバスを利用します。
特別支援学校は校区が広いため、
我が家の住む町の隣町にあります。
そのためスクールバスは朝が早いです。
そして1秒たりとも待ってはくれません。
なので親はこのスクールバスに乗せようと、
それはもう本気です。
だって、スクールバスに遅れたら、
隣町の学校まで車で送っていく必要があります。
だから親は本気です。
一方の療育っ子は、
「時間に間に合うように準備をする」ことが、
「スクールバスに遅れず乗るため」であって、
「乗り遅れたらどうなるか」
「乗り遅れて困るのは誰か」
これがなかなか分からないんです。
だって、療育っ子にしてみたら、
‣乗り遅れたら・・・親が車で送ってくれる(嬉しい♪)
そして↓
‣乗り遅れて困るのは・・・親であって療育っ子ではない
こうなりますよね。
だから、
本当の意味で時間に間に合うように家を出ることの大切さが、なかなか分かってもらえないのです。
自分の行動で、
誰かが不利益を被ることから、
自分の行動を律する、
というのは、とても高度なことです。
でもこういうことって、
根気強く、意図的に伝え続けないと、
自然に分かってくるとは期待しにくいと思います。
我が家の療育っ子の場合は、
ここにフォーカスするよりも前に、
「やるべき事に向かって意識を切らさず準備する」ことが
できるように練習している段階なのです。
ですが、
言いますよ、毎日!
「バスに遅れたら困るの!」
これはもう伝え続けようとか、そういうのじゃなくて、
親の気持ちも吐き出さないと、とても毎朝ミッションをこなせないからです。
すると今朝、娘の口から思いがけない言葉が!
「時間は待ってくれないから?」
分かってるじゃん❕❕
つい嬉しくなりましたが、
急ぐ理由としての正解はコレ?という感じで、
時間が待ってくれない本当のところでの意味は理解してないんだと思います。
今朝だって、
じゃあすんなり準備ができて、
余裕シャクシャクで登校したかというと
そんなわけないですよ。
いつも通り、
「早くーーー!」
「急げー!」
とても間に合わないから、
最終的には準備のほとんどに手出しをして、なんとか行きました。
【番外ミッション】
お助けグッズを探せ
この朝準備のバトルは、
幼稚園時代からずっと課題で、
何か助けになるようなアイテムやアイデアを探しています。今でも笑
幼稚園時代にはポーテージの先生にも再三相談しました。
療育っ子が時間内に準備をする(時間管理をする)ためには
時間が過ぎる感覚を、身体が覚えるしかない、と言われたことを覚えています。
この時間が過ぎる感覚を身体で覚えるというのは、
目に見えないものを教えるのも、子ども自身が感覚的に掴むことも難しいです。
そこで提案されたのは、音楽を使う事でした。
結果的に我が家はうまく使いこなせませんでしたが、
療育っ子が良く知っている曲なら、「曲の終わり」を意識することができて、その曲が終わったら行動の1つも終わり、ということを教えやすい、というものでした。
‣関連ブログ「自律神経と音楽の深い関係」*姉妹ブログのページが開きます
なんでも、
タイマーとか親の声掛けって、
行動の終わりを「急に知らされる」感覚なんだそうです。
急にそんなこと言われても・・・
すぐには終われませーん。
ということらしいです。
そこで、残り時間が視覚的に見える画期的アプリとして
最近試したものが
「Visual Timer」
*サイト表記が英語ですが、使用が簡単な無料アプリです。
これを朝ごはんのときに使ってみました。
結果・・
タイマーがちょっとずつ減っていくのが目に見えるあまり、
そのタイマーを見ることに意識を取られ、
箸が進まなくなりました;;
ちょっと時間に余裕のあるときに慣れさせないと、
朝いきなり使ったのは失敗でした。
こんな感じで、
療育っ子が毎朝登校するために、陰でこんなにも努力している人がいるんですね。
いつの日か、こんな努力にも目が向けられる人間に成長してくれるといいな。