療育日記

療育っ子と見通しのある生活

~ちょっと先が見えることで心の準備をする~

先日投稿した、「療育っ子と時間の管理」に通ずる話題です。

例えば一日の予定だったり、
一週間の予定だったり、
少し長い期間に、自分の行動スケジュールがどうなっているのか。
これを療育っ子が分かる事のメリットと工夫について書きたいと思います。

療育っ子は見通しのある行動が苦手な場合が多いです。

それは物事を順序だてて考えることが苦手、
とも言い換えることができ、
強いては物事の因果関係をとらえることが苦手、
と言う事ができます。

我が家の療育っ子もこんなことがありました。

休日の夕方、ごはんの準備をしていて、
他の家族は配膳などを手伝っています。

そんなとき、
「DVDを見たいの!」と言い出した療育っ子。

療育っ子イメージ

みんながごはんの準備をしていたなら、
もうすぐごはんですよね。

もうすぐごはんなら、
DVDは今見ることができない、ということになります。

ところがこれが自己解決できずに、
「DVDが見たいの!」となるわけです。

なので、
①ごはんの準備
②ごはんを食べる
③食器を下げる
④DVDを見る
という順番になることを教えてあげる必要があります。

この時はこの説明で分かってくれました。

自分のしたいこと「DVDを見る」が4位にランクインしているので、
それまでにやるべきタスクは3個です。
しかも「ごはん」に関連した3個なので、比較的容易にイメージがついたようでした。

これがもし、
自分がやりたいことの前にたくさんのタスクがあるとしたら、
全部を覚えていることができずに、
すんなりとはいかないような気がします。

これもワーキングメモリの容量に関係しているのかな、と最近思うようになりました。

ワーキングメモリとは
作業記憶、作動記憶とも呼ばれていて、
作業や動作に必要な情報を一時的に記憶したり、処理したりする能力を指します。

ワーキングメモリイメージ

一般的に療育っ子は、
ワーキングメモリの能力が不十分なケースが多いことが解ってきて、
このワーキングメモリを鍛えるためのトレーニングが開発されたりしています。

話は戻りますが、
一日あるいは半日の、行動スケジュールを
見通しをもって準備したり行動したりするためには、
その一日あるいは半日の行動スケジュールを
時系列に記憶しておくことが必要になってきます。

1番が終わったら2番はこれだったな、
3番は・・というように、
記憶したスケジュールを、順番にクリアして
次のスケジュールに移っていく、
こんな一連の流れが「スケジュール」です。

このようなスケジュールを見通しをもって実行できていると、
今は目的の途中なのか、
目的のどのくらい途中なのか、
目的まであとどのくらいなのか、
目的に辿り着いたのか、
これが分かっていることになります。

ついでにここに時間的感覚が加わって、
時間内にタスクを完了するということが可能になるわけです。

ところが、
ワーキングメモリが不十分な場合、
途中で自分のすべきことを忘れてしまったり、
最終的な目的を見失ったりしてしまうせいで、
中途半端になってしまったり、
別のことをし始めたりするわけです。

ワーキングメモリ不足のイメージ

そう・・
その子が悪いんじゃないんです。
その子のワーキングメモリが必要量備わってないことが問題なんですね。

じゃあワーキングメモリを鍛えればいいのか!

最終目標は確かにワーキングメモリを育てることですが、
育てるといっても
一朝一夕でなんとかなるもんじゃない。

そしたらワーキングメモリの部分をちょっと補う工夫を取り入れればよい!

それは何かというと、
絵カードなど視覚的に訴えるものを傍に置いておくことです。

やる事が一つ一つのイラストになっていて、
それを時系列に並べておくことで、
生活の「見える化」を図ります。

こうすることで一日の予定を管理し、
こなしていくことで、
療育っ子にとって先が見えないという不安を、
いきなり言われたような不安を、
ある程度取り除くことが期待できます。

生活絵カードにはこんなものがあります。
*ここでご紹介するカードは
ザ・プロンプト!絵カードメーカー」サイトより無料でダウンロードできます。

文字の読み書きができる場合は、
チェックリストなどでも効果的です。

要は頭の中に置いてほしい情報を
目に見える形で出しておくことで、行動のレールから踏み出さないようにします。

また持ち物管理についても、この手は使えます。

用意するべきものを一覧にして、チェックすれば忘れ物を減らす工夫になります。

持ち物リストイメージ

また、1週間や1ヵ月の予定も、
イラストで表してあげると、日にちの感覚が養えるそうです。

コツは子どもの好きな予定を意識すること。
例えば公園、Mのハッピーセット、ファミレス、銭湯など
日常で予定に組みやすいものでいいそうです。

絵カードを作ったり、
カレンダーに張り付けたり、
地味に手のかかる作業ではあります。

事実、わたしも最近サボリがち。

「ひと手間かけて大きな手間を省く」

療育の先生から聞いた先輩ママの言葉です。

今のひと手間が
ちょっと先に大きな手間が省けるのだと
心に留めて・・・
わたしもエンジンかけないと。
かかるかなぁ、エンジン。

【番外編】
自宅でできる!ワーキングメモリを鍛え方

ワーキングメモリを鍛えるには、
ランダムな小さい記憶を、なるべくたくさん覚えるような練習が良いです。

1.数の暗唱

ワーキングメモリのトレーニングイメージ1

親:1から10までの数字をランダムに言う。最初は2個からスタート。

子:親の言った数を覚えて答える

これだけです。

数字を2個、おぼえられるようになったら、
今度は3個、4個と数字の数を増やしていきます。

これ、覚える数字の数を増やすと、
最初に数字を言う親も、それだけ覚えていないと
答え合わせができません。

親にとっても脳トレになります。

数が増えて、答え合わせがしにくくなったら、
スマホの録音機能で録音して、
親子で答え合わせするのもいいです。

2.トランプを使う

ワーキングメモリトレーニングイメージ2

トランプを1~10まで用意します。
最初は同じマークのシリーズで10まで用意します。

数の暗唱と同じく、
10枚の中からランダムに2枚取り出して数を覚える。

2枚のカードを正確に覚えられるようになったら、
3枚、4枚と増やしていきます。

こちらは選んだカードを裏返しに置いておけば、
答え合わせは簡単です。

トランプの場合は、
カードの枚数を増やしてもいいし、
マークの違うカードも混ぜて、
「マーク」と「数字」
を覚える練習もいいです。

ゲーム感覚で取り組めますね!

3.おもちゃを使う

以下はどちらも光るボタンの順番を覚えるゲームです。

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やり方さえ分かってくれたら、
ゲーム機械に任せられるのが大きな利点と言えます。

一人で集中してやってくれれば、ありがたい!

ワーキングメモリが育ってくると、
本記事の初めに出てくる「物事の因果関係」が分かるようになり、
そうなると、頭の中が整理されやすくなって
落ち着いて物事に取り組めるようになるそうです。

言うなれば、
今まで頭の中に散らばっていた情報が、
迷子になったり消えてしまうことなく、
スッキリと並んでいるため、
混乱が少なくなるようなイメージです。

また、実際の生活で片付け等の際、
物をジャンルごとに分けたり、
遊びの中で「仕分け」要素を取り入れるのもいいらしいです。

仕分けをするときには、
「これはこうだからここ」と言う風に頭を回転させながらやります。

これがとってもいいそうです。

言われてみれば・・・

我が家の療育っ子は片付けが下手です。

片付けろー!と言うと
何でもかんでも、
手近にあるところにつっこむ癖があります。

片付けが下手なだけでなく、
なくし物のプロと呼ばれています笑

これもか。
これもワーキングメモリか。

すごいな、ワーキングメモリ❕

みんなでやろう!ワーキングメモリ体操!

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