療育日記

療育っ子と趣味・特技

趣味や特技って、胸を張ってコレ!と言える人はすごいと思います。

自分に問いかけてみると、
かろうじて趣味はぽつぽつ思い当たりますが、
特技、と言われると、なかなか出てきません。

さらに、長所は?短所は?
という問いかけでは、
短所の方は結構すらすら出てきますが、
長所は、言うなれば、という感じで出てくるというかひねり出す感じです。

なんとなく、
自分のことになるとポジティブなイメージを表に出すことって難しい。

それと同時に、
自分のこと全てをネガティブに受け止めることはしたくないし、
したらダメなんだと思います。

最近よく、「自己肯定感」という言葉を耳にします。

自己肯定感は自分は自分であって、
具体的な理由にとらわれず「自分っていい」と思えること、だとわたしは解釈しています。

この自己肯定感があるからこそ、
自分のこと全てをネガティブに受け止めずにいられる。

短所もいろいろあるけれど、
頑張ってる自分、笑ってる自分のことをよし!と思える心のベースにあるものだと思います。

この自己肯定感は、
成長の過程でいろんな人に認められる経験・褒められる経験を重ねていくうちに、自分の中で育っていく感覚だと言います。

子どもの自己肯定感を育むためには、
周りと比較して褒めるより、
無条件に子どもに愛情を伝えるような褒め方・認め方がいいと言われています。

それはいつも周りと比較して褒められていると、
比較することでしか自分のいい所が見えなくなってしまって、
比較して周りよりも劣っていると感じた時に、
自分の存在意味を見失ってしまう恐れがあるからだと言われています。

周りと比べることなくありのままの自分を自分が受け入れられること。
これが大事なんですね。

ところが療育っ子の場合、
これをもっと意図的に、かつ分かりやすく
伝えてあげないといけない。

まず、
発達が遅れている、とか
発達が偏っているとか、
そういう尺度で測るのが発達検査です。

周りと比べてどれほど遅れているか、
周りと比べてどれほど偏っているか。

小さい時からその子のもつ能力を
周りと比べることを余儀なくされる療育っ子は、
本人にとっても、そしてその親にとっても常に「遅れや偏り」に着目するような時間が多いんですよね。

どれも個性。

そういう風に考えましょうと言われても、
実際の生き辛さや困難があるのが現実です。

その生き辛さや困難を軽減するために療育に通う訳ですが、
療育っ子が、そしてその親が、ありのままでいいんだって心から思えることは、正直とても高い所にある気がします。

そこで、考え付いたのが、
趣味や特技を作ろう!ということです。

場面緘黙症についての本を探していて、最初に手に入れたのが
ご自身の体験をコミックエッセイにしている、
らせんゆむさんの
「私はかんもくガール」という本です。

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この本で、らせんゆむさんも語られていますが、
自分には水泳という特技があって、
水泳ではクラスの男の子にも負けない自信があった、その自信が自分の中で軸になっていた、と。

周りから一目置かれる存在になれる趣味や特技があるということは、こと療育っ子にとってはとても大きな意味を持つような気がします。

書家として活躍されているダウン症の祥子さん、
描くイラストがスニーカーの絵柄に抜擢された自閉症のご兄弟、
場面緘黙症を広く知られるきっかけになったパティシエのみいちゃん。

このようなご活躍を目にし、耳にする度、
心のバリアフリー化が進むような気がして本当に嬉しいと同時に、
我が家の療育っ子にも、華やかでなくともささやかな趣味があればいいな、と思うようになりました。

人より上手にできなくても、
これをしていれば心が落ち着く、
楽しい気持ちになれる、
幸せを感じられる。
そんな趣味になるようなもの、何かないかな?

言葉を発せなくても、
自分の気持ちを表現できるような芸術がいいな。

兼ねてより夫が、何か音楽でも・・
と話していたこともあり、今年の誕生日プレゼントは楽器にしようということになりました。

そしていろいろと考え、
買いに行ったのは、ウクレレ。
それも楽器屋さんに買いに行くというのです。

楽器屋さんでも場面緘黙症の症状が全開で、
店員のミュージシャン風のお兄さんを困らせながら、何とか選んで購入。

若いころギターを弾いていた夫が教えます。

本当なら、外の音楽教室に通いたいところですが、
場面緘黙症が全開になって、レッスンにならないことが目に見えています。

ですが問題は本人のやる気と根気です。

我が家の療育っ子は、
コツコツと練習することが苦手。

出来ないことに取り組むこと自体が苦手。

そして先生と言っても、相手はお父さんという甘えられる存在。

そんな具合で、
誕生日から1か月以上経ちますが、
最近はウクレレのケースを開けることもなくなりました・・涙

なんとなく予想はしていましたが・・

我が家の療育っ子が趣味を見つける道のりは遠そうですが
くじけず、また(夫が笑)誘ってみたいと思います。

人生を豊かにする趣味や特技、
子どもだけじゃなくて、わたしたちにも必要ですね。
わたしも何か見つけたいなと思う今日この頃です。

あと無条件の大好き!も忘れないように^^


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