療育っ子と七夕の願い事
今日は七夕ですね。
我が家の療育っ子は、知的障害と場面緘黙症を持つ小学2年生の女の子です。
特別支援学校に通っています。
今年も、学校から短冊の宿題がやってきました。
*昨年の七夕については、こちらの記事で紹介しています↓
今年の七夕の願い事は、なんと!
「うたをうたえるようになりたいな」
療育っ子直筆の短冊です。
七夕の短冊には、願い事を書きます。
でも療育っ子には、そもそも「願い事」というものがよく分かりません。
最初はお友達への手紙のようなものを書くと言っていました。
それからたくさん話をして、
・髪の毛を切る人になりたい
・お花屋さんになりたい
などの将来の夢的なものが登場して、
その後、
・泳げるようになりたい
・お料理が上手にできるようになりたい
など、母からヒントを与えて、
最終的に
「1人で寝られるようになりたい」となっていました。
そしていざ書とうとして、
あれ?なんだっけ?と言い出したことに、
「忘れたんかい!」と母に突っ込まれ、そして唐突に、
「1人で上手に歌を歌いたい」
そう言い出したのです。
もちろん家ではなく、学校で、です。
わたしはもうびっくりして、嬉しくて、
「それいいね!」と答えて、一緒に書きました。
わたしは願い事のヒントを色々だしましたが、
場面緘黙症に関することは1つも言いませんでした。
関連記事「場面緘黙症を持つ子との接し方」で詳しく紹介していますが、基本的に場面緘黙症を持つ子に、「話す」ことを周囲が求めることは、逆効果であることが多いんですね。
今、学校では自然と話せる場面が増えてきてはいますが、
勉強や発表など、自発的な発声を求められる場面では、まだ声が出せません。
つまり、あくまでも「自然と」出てくる言葉に限られているんです。
そして歌を歌うということは、
その先にある、まだ遠い目標の「自発的な発声」の代表格です。
こんな願い事が、本人の口から出てくるなんて・・・
場面緘黙症を克服するためには、
やっぱり本人の「話したい!」と強く思う気持ちが、一番の原動力になると思います。
その強い気持ちが、
ちゃんと心に溜まっていたんだなと思うと、すごく感動しました。
その強い気持ちがあれば、きっと願いは叶う。
大丈夫、いつか歌を歌える日が必ず来るよ。