療育機関での様子 ~親子教室 vol.1~
我が家の療育っ子は、知的障害と場面緘黙症をもつ女の子です。
そんな娘の療育機関での様子を振り返ってみたいと思います。
今回は自治体が主催するの親子教室での様子です。
*療育機関について詳しくはこちらをご覧ください。↓
【目次】
1.療育機関<自治体の親子教室>はこんなところ
ここでは主に未就学児を対象とした小集団での遊びを通して、先生と一緒に関わり方を学びます。
広いお部屋に大型の遊具やたくさんのおもちゃ。
オヤツだって食べられます。
また、ここで知り合った療育仲間とは、
就学を迎えた今でも関係が続いていたり、同じ学校に行くことになったりして、わたしにとってもコミュニティの基盤ができた場所、と言えます。
以下は親子教室での一日の流れです。
2.親子教室に行くことに決めました
親子教室の存在は知っていましたが、なんとなく乗り気になれずにいました。
親子教室よりも先に、
大規模療育機関で「あそびの教室」が始まっていたこともあり、同じく遊ぶだけの、しかも療育として専門の機関でもない自治体の親子教室。
当時のわたしは、療育って言ったって、遊んでるだけじゃん。
そう思っていました。
そして親子教室というからには、
親子で遊ぶ・・んですよね。
親子で?
遊ぶの?
それが療育なの?
それなら子どもだけを預けられる幼稚園でよくない?
幼稚園こそ小集団で立派に遊ばせてくれる。
こんな風に思っていれば、足が遠のいて当然です。
そんな斜にかまえたわたしが、
行ってみようかなと思うきっかけとなったのは、同じく療育に通うお友達の存在でした。
なんか楽しそうに通ってるな・・・
幼稚園を早退してまで行くのに、
なんだかキラキラとした顔で、その親子教室に行くところを見かけました。
話を聞いてみると、
担当の先生が1人ついて、
その子の発達や様子に合わせて遊んでくれるから、楽しいみたいよ!との回答。
ほほう!
これは一度行ってみてもいいかもしれない。
こんな感じで、とりあえず見学に行ってみることにしました。
お友達の存在は偉大です。
3.今までにないタイプの先生との出会い
自治体主催の親子教室を利用するにあたり、まず親子での面談がありました。
当時療育っ子は3歳、上の子は小学2年生。
小学2年生の上の子を残していくわけにいかず、母子3人で行きました。
「あれっ?お兄ちゃんも来ちゃった⁉」
先生の最初の一言、これです。
え?
ダメだった?
聞いてないし。
置いてこれないし。
「次から来れないからねー」
当時小学校2年の上の子に向かって放たれた一言。
そんな風に言わなくたって・・
これは・・
場合によってはもう来ないかもしれないな。
第一印象がそんな感じの中、面談が始まりました。
先生は子どもの様子を見ながら、親から話を聞きます。
子どもの様子といっても、
上の子が自由に遊んでいるのに対し、
療育っ子はおびえた目つきで、ピタリとわたしの隣に座ったまま微動だにしません。
聞き取りシートに則って、
発達の具合や性格傾向などを答えていきます。
どんなことを聞かれて、
どんな返答をしたのか、
細かいことはもう忘れてしまいましたが、
言葉の発達が遅いこと、
場面緘黙症であることなど、
色々話しているうちに、子どもがいる前で涙腺が崩壊したことはよく覚えています。
「お母さん!大丈夫よぉ~。ほら、そんなに泣かないで」
根拠のない「大丈夫」なんだけど、
その先生のもつ、なんだろう、安心感?安定感?そんな大きなものに包まれたようで、面談を終える頃には疲れもあったものの、心がちょっと温かくなった気がしました。
そして月に2回、本格的に通うことになりました。
担当の先生は、今までにないタイプ。
ひたすら明るくて、声もめちゃくちゃ大きくて、豪快で、あまり小さなことは気にしません。
そんな今まで接したことのない人柄の先生に、娘が馴染めるのかと不安になりました。
わたしだって最初の面談でひるんだくらいです。
案の定、最初のころは先生を見るなり、さっとわたしの背後に隠れてしまいます。
一定の距離を保てないほど接近されると、
シュパっと飛びのきます。
いや、そんなにあからさまに避けなくても・・・
それでも先生は動じません。
「大丈夫よぉ~。」
「卒園するころには、子どもたちはみんな先生のこと大好きになるんだから!」
この言葉がすごく印象に残っています。
そしてその言葉通り、
回を重ねるうちに、娘はこの先生のことが大好きになっていきました。
娘は一言でいうと、超繊細。
だから同じように線の細い先生だと、
逆に小さな場所から出るタイミングを逸してしまうようです。
ちょっと強引でも、その人のペースに乗せられて遊ぶ方が快適なようでした。
そしてこの先生は、
その後のわたしにとっても、
他の誰よりもなんでも気兼ねなく、安心して正直な気持ちを打ち明けられる大切な存在になります。
人との出会いって、不思議なものです。
4.活動スペースは1畳
さて、通い始めて初めのころは、
畳1畳分くらいの小さなおままごとスペースから一歩も出ることができなかった娘。
そこでおままごとしたり、
音のなるオモチャで遊んだり、
でも他の子が入ってくると、逃げるようにわたしの後ろにしがみついていました。
もちろん先生とも「わたし=母」を介さないとコミュニケーションが取れません。
おやつも食べられません。
小集団遊びも、座ることはできますが、
活動には参加できずに固まることが常でした。
でもひそかにやりたいことがあったのです。
それは・・
トランポリン
お友達が楽しそうに飛ぶ、滅多に見かけないサイズのトランポリン。
これがしたい!
でも他の人がいるとできない!
でもしてみたい!
こんな秘めた想いを、先生はちゃんとキャッチしてくれていたのです。
みんなが帰った後、
「飛んでいいよ!」
この「みんなが帰ったらトランポリン」がお約束となり、またそのおかげで通所が楽しくなってきたようでした。