療育っ子と環境
~やる気は環境に左右される!?~
今日の話題は、
「どんな環境に身を置くか」
それがその人のコンディションの良し悪しを左右する可能性についてです。
知的障害と場面緘黙症をもつ我が家の療育っ子。
就学前と就学後では、雰囲気が変わったように思います。
幼稚園時代はなんだか自信なさげで、
自分からやりたい!と表現することはあまりなかったように思います。
「やる?」と聞かれたら頷く。そんな控えめな感じでした。
ですが就学後は、
「やりたい!」と表現することも増え、
自信をもって取り組めるものは率先して行動に移せることも増えました。
*詳しい経過はこちらの記事にまとめています♪
先の記事でも触れましたが、
特別支援学校ではその子のペースをとても大事に、
小さなことでもできたこと、やろうとしたことをすごく評価してくれます。
周りの子と比べられることなく、
自分の精一杯を認めてくれて、前向きな言葉をかけてくれる毎日。
その人を取り巻く環境が
その人の持つ雰囲気や気質に大きな影響を与えることを実感しました。
そしてわたしが扱っている嗅覚反応分析でも、
その人の性格は持って生まれた遺伝要因より、
どんな生活を送っているか、どんな環境で過ごしているか、という環境要因が大きく影響すると考えます。
例えば
ライフスタイルの変化で、雰囲気ががらりと変わることもよくあります。
女性では結婚や出産で雰囲気が変わった、
男性でも家庭を持ったら考え方が変わった、
ということはよくあります。
子育てでも、
親からの言葉かけで子どもがこんな風に育てよう、という書籍もたくさん出ていますよね。
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自分が大事に思われている、
自分を認めてくれている、
そんな風に思えることが、前向きに生きる力になっている。
子どもが過ごす環境は、やっぱりそんな場所であってほしいと思いました。
人格と身を置く環境にまつわる、こんな話もあります。
とある海外の大学の心理系ゼミで、こんな実験が行われたそうです。
ゼミ生たちに刑務所ごっこを演じてもらう実験です。
ゼミ生を無作為に半数ずつにわけて、 1つのグループを刑務所に収容されている囚人役、 もう1つのグループをその刑務所の看守役になってもらいます。 最初のうちは、同じゼミ生ということもあり、仲良く楽しく刑務所ごっこを演じていました。 ところが時間が経つにつれ、 看守役のゼミ生たちは日に日に傲慢になり、囚人役のゼミ生を見下す態度を取り始めます。 一方囚人役のゼミ生は、自分たちが何か悪いことをしたかのように、日に日に卑屈になり、理不尽な要求も我慢して受け入れるようになったと言います。 このような関係性は、ゼミが終わったあとのプライベートな時間にまで影響していたと言います。 ただのごっこ遊びだったものが、まるで現実世界にも影響を与えるようになりました。 そこで数日後に、 看守役と囚人役を入れ替えました。 元囚人役だった看守役は、その立場が逆転したのをいいことに、 囚人役のゼミ生を、やはり同じように見下し、傲慢な態度を取るようになりました。 元看守役だったゼミ生も同じく、今度は囚人役の立場となって、日に日に卑屈になっていったという実験結果でした。
この実験結果から、
単なるごっこ遊びだったとしても、
他人から言われることや他人からの扱い、
そして自分の置かれている立場からとても大きな影響を受けていることが分かります。
またこのことを上手く利用している例として、
テニスの錦織選手の「口グセ」があります。
錦織選手の口グセは、大きな声で「よし!」ということ。
これは試合で自分に不利な流れになったとき、
あるいは試合でミスをしたときほど、
大きく、力強い声で「よし!」と言っています。
たとえ不利な展開に陥っていたとしても、
自分の声が自分の耳に届くことで、自分を奮い立たせているのですが、実に大きな効果があると言います。
自分が身を置く環境が前向きな言葉にあふれていたら、
そして自分自身も、自分を前向きに捉えることができたら、
今持っている力を超えるものを発揮できるんじゃないか。
そう思いました。
自分の軸がまだ細い子どもは、周囲の影響を受けやすい。
だから子どもを取り巻く環境がとても大事なんですね。
変えたくても簡単に変えられない場所も多いですが、
せめて家の中では、ネガティブ発言を控えようと思った今日この頃です。
「あーもう最悪」
「めんどくさーい」
気が付いたら口癖になってました・・・
小さなつぶやきは、耳から入って脳に溜まって、自分のやる気を削いでいる!
これはもう、自分の発言から見直さないといけませんね!
はい!安西先生!
わたし、口グセを変えて、もう一度立ち上がります!