特別支援学校ってどんなことするの?
~地域の小学校とはここがちがう~
特別支援学校と地域の小学校との制度上の違いは、
上記の記事でご紹介した通りですが、今回は学校生活の中見を具体的にご紹介します。
特別支援学校での毎日は、入学するまで想像がつきにくいものです。
見学に行ってもなんだかよく分からない・・
そんな自分の経験から、
気になる毎日の過ごし方を我が家の療育っ子が通っている特別支援学校の実例として紹介したいと思います^^
*自治体、学校により内容が違う場合があります。
目次
特別支援学校の登下校について
特別支援学校の通学範囲はとても広いです。
娘が通う特別支援学校は、自宅から車で20分ほどのところにあります。
そのため多くの児童・生徒はスクールバスを利用しています。
また、小学部に所属する間は児童一人での登校(スクールバス停までの道中も含む)は認められていません。
原則保護者の付き添いが必要です。
そしてスクールバスの乗車時刻に遅れた場合は、自力で学校まで送迎することになります。
スクールバスは時間に厳しく、1秒たりとも待ってはくれません。
下校についても同じです。
ただ下校後は放課後等デイサービスを利用する児童が多いため、スクールバスに乗る頻度は少なくなります。
放課後等デイサービスのスタッフの方が、学校まで送迎車で迎えに来てくれるからです。
就学後も子どもの送迎が必須になるため、
放課後等デイサービスの存在がとてもありがたいです。
*放課後等デイサービスとは、就学後の児童を対象とした福祉サービスです。
*利用には受給者証が必要です。
特別支援学校の時間割
学校が始まるのは地域の学校とほとんど同じですが、下校時間が早いです。
学校によって違いがあると思いますが、娘の通う特別支援学校の1年生の下校時刻は毎日13:45。
これは幼稚園より早い!
幸か不幸か、学校が遠いため、
スクールバスが到着するのは、結局地域の学校と同じくらいにはなります。
こちらは娘が1年生のときの実際の時間割です。
ご覧の通り、勉強の時間はほとんどありません。
国語や算数という勉強にかける時間は、1日20分程度しかありません。
◎朝の会
朝の会ではその日の活動内容、活動の流れ、給食の献立など、1日を「見通しをもって」過ごせる工夫がたくさん施されています。
日にちの感覚、曜日の感覚、天気など、
日常の生活に関わることも意図的に、分かりやすく定着する工夫に満ちています。
また、娘の通う特別支援学校では、
活動などには必ず絵カードを、
そして簡単な手話のようなサインを先生は使って話をしてくれます。
言葉を発することができなくても、
絵カードやサインを覚えてコミュニケーションが図れるようになる工夫も満載です。
◎学習教科は基本的に国語と算数のみ
地域の小学校では
国語・算数・理科・社会が基本です。
特別支援学校では
国語と算数のみです。
国語や算数も、一人一人のペースに合わせて取り組みます。
クラス全体で授業のようにすることもあれば、
個別学習のように一人一人違う課題をすることもあります。
理科と社会はまとめて「生活」あるいは「生活単元科(生単)」にまとめられています。
理科や社会は生活していく上で必要なエッセンスをまとめて、実生活に密着した形で教えてくれます。
例えば野菜作り、クッキング、お金の使い方、買い物の仕方などです。
娘の場合は、サツマイモの苗植えに始まり、
水やり、そして芋ほりをして収穫するまでを体験させてもらっていました。
かといって毎週サツマイモのお世話をしているわけではなく、せいかつの時間に色んな経験をさせてもらっているようです。
◎うんどうの時間は毎日ある
身体づくりの基本となる運動。
これは毎日あります。
雨が降ってもできるように、校内で取り組むものが多いです。
スロープをダッシュしたり、体操をしたり。
体育と何が違うのか?
厳密にはわたしも分かりませんが、
体育では体育館で低い平均台を使ったり、サーキットのようなことをしたりしているようです。
うんどうの時間はもっと手軽にできることが多いように思います。
特別支援学校の教科書
「1年生の教科書です」と言って配布されたのがこちらです。
そう、絵本です!
自治体や学校によって違いがあると思います。
関連ページ「就学先を決めるまで」でも触れましたが、
学力を付ける地域の小学校と、
生活力を付ける特別支援学校という違いがあります。
基本的な自立から身に付けることを目指しているんですね。
その他
‣連絡帳が毎日とても丁寧
活動内容、給食をどれだけ食べられたか、その日の様子。
先生が気になったことや、
その子の成長を感じられたことなどが、丁寧に書き記されています。
親からの心配事やお願い事、家庭での様子なども連絡帳を通してやり取りができます。
‣個別の学習計画がしっかりしている
その子の発達の具合、発達の特性、親が大事にしていること・目指していること。
こんなことを短期目標と長期目標に分けてしっかりとアセスメントしてくれます。
‣医療連携が整っている
娘のようにてんかんを持っていたりして、毎日の服薬が欠かせない子どもたちの薬も預かってくれます。
これは災害などで自宅に帰れないときでも、必要な薬を飲めるようにするためです。
また、災害時にはその子が食べられるものや安心するものを学校に預けておくシステムになっています。
特別支援学校には、
いわゆる保健室の先生以外に、看護師の資格を持った先生がいらっしゃいます。
娘が通う特別支援学校はこんな感じです。
特別支援学校は娘にとって、とても大切な居場所であり、学びの場です。
机上の勉強時間は確かに少ないですが、
それ以上にお友達との関係から学ぶこと、
先生に支援してもらってこそできる活動、
本当にイキイキと毎日学校に行っています^^