療育っ子のカモフラージュ行動
~場面緘黙症の娘のカモフラージュ行動って?~
以前、療育っ子への支援に関する講演会に行った時の話題です。
その講演会の趣旨は、
その子の現状を正確に把握し、
その子の環境をその子に合ったものに整えることで、
その子に合った支援につなげよう
といった内容で、
周囲の都合で対応しがちな、
療育っ子への支援を改めて考えさせられる、貴重な内容でした。
その中で個人的に、
一番「はっ❕」とした内容。
それが、『療育っ子のカモフラージュ行動』というものです。
子どもって、多かれ少なかれ、ウソをつきませんか?
大人にとってはそれは意味不明というか、
なんでそんなすぐにバレるような、ウソをつくんかい?と思うようなウソ。
これ、療育っ子に限らずだと思いますが、
例えば、
・できないのに「できる」と言う
・ほんとはやりたいのに、「別に興味ないし」と言う
・やると言ったのに、「やっぱりやりたくない」と言って結局やらない
などなど。
うちの上の子にも当てはまるものが多々・・・
これ、平たく見ればウソというか偽りなんですが、
これをカモフラージュ行動、というそうです。
その背景に隠れている気持ちというのは、
・できないというと怒られそうで怖いから
・やりたいけれど失敗するのはもっとイヤだからやらない
・やってみたかったけど、周りの人ほどうまくできるか自信がなく、やらない
なんだそうです❗
カモフラージュ行動とは、
自分の本当の気持ちを隠したくて、
自分の弱い気持ちを知られたくなくて、真意に反する言動をすること。
もうこれだけで、見る目が変わりますよね。
で、そのカモフラージュ行動の中には
・できる?と聞かれると「・・・・。」無言になる
・「してみる?」と聞かれると、頑なに「しない」と言う
というのがあり、これは、
・無言のバリア
・失敗の危険を未然に回避
という心理が隠されており、
場面緘黙症を持たない子どもでも見られるカモフラージュ行動なんだそうです。
これ、すっごい肌で感じてました❗
場面緘黙症の我が子にとって、
まさに話さないことで自分を守っているということ、
(言語表現の発達も遅いため、発語そのものに自信が持てない)
ほんとはやりたいけれど、
失敗を恐れて、また見通しが持てずに不安で、
「やらない」という選択(やれないという現状)をしているんだなって、
いっつも、いっつも、見て感じていました。
じゃあこの心理の根っこにあるのは・・・?
きっと、自分に対する漠然とした自信のなさですよね。
それが今、
学校で少しずつ言葉を話すようになっているのは
やっぱり、ちょっとずつ自信がついてきたからなんだなぁと改めて思いました。
そして、誰もが持っている特性が人一倍強く出ているのが、
世の中で言われるところの発達障害であり、
場面緘黙症であって、
そもそもはやっぱり個性、と呼ばれるべきものなんですよね。
とはいえ、一番誰が困っているかというと、
本人なはずなので、
本人がなるべく「生き辛さ」を感じずに生活していく上で、
支援だったり療育だったりが必要になります。
でも、一番力になるのは、
「周囲の理解」だと思います・・・
理解されてこそ初めて真の支援が受けられるし、
困っています、と声を上げることができる。
我が子が場面緘黙症を克服することを何より願っていますが、
同時に世の中の理解が、もっともっと進んで、
誰もが肩の力を抜いて生きていける
そんな時代がやってくることを願っています。