不登校 見方を変えてみる
不登校は必然であって必要なこと
1.現代っ子の自己肯定感の低さに危機感
先日、不登校になった長男の学校からのおたよりで、
わたしたちの住む地域の中学生の自己肯定感が全国平均よりも低い、という内容が掲載されていました。
学校のおたよりでは、この内容について、
「わが校の生徒はもっと自信を持ってほしい。学力も高く礼儀正しく、優しい生徒ばかりです。」
とのコメントと共に、生徒同士良い所を見つけ合う活動を積極的に取り入れています、とありました。
長男が不登校になっていなければ、そのままスルーしてしまっていたと思います。
でも今、なんというか個人的にタイムリーすぎる話題に、胸がざわつきました。
確かにわたしたちの住む自治体は、全国的に見ても学力はトップクラスです。
中でも長男が通っていた中学校には、優秀な子が非常に多いです。
そしてわたしから見ても、素直でかわいらしい子どもたち。
でも・・・
もっと危機感を持ってほしい。
そう思ってしまいました。
こんなに勉強・部活・礼儀、3拍子揃っていても、
学力が全国平均より上なのに、
自己肯定感が全国平均より低いのはなぜか?
なぜそれを考えようとしないのだろうって。
どれほど頑張っても、
どれほど遊びたいのを我慢しても、
周囲が、特に大人が、
「まだまだ」
「もっともっと」
っていう空気だからじゃない?
きっと真面目で感受性の強い子ほど、周囲の空気を読んで、
「まだまだ、もっとやらなきゃ」って自分にムチを入れるから、
「自分はまだダメなんだ」って思うってことじゃないかな。
その結果が、
「もうダメ、これ以上頑張れない」ってなって
「こうなってしまった自分はダメダメだ」って思って、
不登校に苦しむことになる。
そう、我が家の長男のように・・
2.不登校はボロボロになった自分を再構築するため
今日、自治体の不登校相談2回目に行ってきました。
その担当相談員の方が言っていました。
「不登校って、自分らしく生きるために自分をリニューアルしてる最中だよ」
中学生って、子どもから大人へと大きく変わる時期。
今までは子どもとして、
親や先生から言われてきたことをやっていた時間が多いけど、
小学校高学年から中学生にかけて、
考えに自分軸が生まれてきて、
親や先生がこう言うけど、
自分はもっとこうしたいのに、
自分はそれがイヤなのに、
例えば高校受験とか、将来とか、
そんなものを理由にして、
内申点のため、
成績のため、
もっと頑張れ!もっと頑張れ!って言われる。
言われてるような空気感。
そのために真面目にやりたいことを我慢してきた子どもたちは、
周囲から見ると立派にやっている「いい子」です。
そんな子が不登校になったら、
「なぜ?あんなに順調だった子が?」って思うけど、
不登校はその子からの
「これ以上やると自分が自分でなくなるよ!」
っていうメッセージなのかも。
だから不登校中は、
「こうしなければいけない」
「こうするべきだ」
という縛り付けをぜーんぶ取っ払って、
本人が本人らしく生きられるように、
本当に本人にとって必要なものを自分で選び取れるように、
リセット
する時間。
そう考えると、早く学校に戻ってほしいっていう気持ちが段々薄くなってきました。
不登校になったのは、
がんじがらめになってた長男が、自分をリセットする時間が必要だったから。
だから早く学校に戻ることが不登校の解決ではなくて、
マズローの欲求5段階説でいうところの
自己実現欲求
これが芽生えるときまで、
ゆっくり、じっくり一つ一つの欲求をしっかり満たしてほしいって。
マズローの欲求5段階説についてはこちら
「不登校 子どもの心理」
3.自分の未来を自分で切り開く力
つまるところ、
自分の未来を自分で切り開く力、
自分の夢を実現する力って、
この自己実現欲求が芽生えているかどうか、にあると考え付いたんです。
その下の4つの欲求は、
他人からしか与えてもらえないものなのに対して、
この自己実現欲求だけが自分の努力次第でどんどん満たされるもの。
あのまま長男がなんとなく学校に行ってたら、もしかしたら芽生えることのなかった欲求かもしれない。
基礎になる4つの欲求がどれも不完全な、グラグラしたものだったと思うから。
だとすると、丁寧に4つの欲求を満たしていけるのが不登校の今なら、
それは明るい未来への切符なのでは!?
親元にいる間に、一緒に欲求を満たしていけるなら、不登校、全然アリだよね。
「学校に行ってなくても子どもはちゃんと育ちますよ」
相談員の先生からの助言です。
思う存分好きなことを好きなだけした後には、
これからの自分に必要なものを、自分で考えて動けるようになる。
ゲームならあの時一生分やったわ。
長男がこの先、振り返ってそう思えたら、大成功です。
だって人生の大一番って時は、これから先にこそあるのだから。
その時に自分の足でしっかりと歩んでいける、そんな将来が待ってると信じて。
「お母さんが吹っ切れると、子どもはどんどん回復しますよ!」
これも相談員の先生の言葉。
ほんと、その通りです。