電話リレーサービスがもたらす恩恵
2021年7月1日から始まる、電話リレーサービスについての話題です。
契約している携帯電話の会社から、
メールが届くも、なんのことかよく分からない・・
でも実はとても画期的なサービスなんです!
目次
電話リレーサービスって何?
電話リレーサービスとは、
「聴覚障害者等による電話利用の円滑化に関する法律」で定められた新しい公共サービスです。
電話という音声を主に使った通信サービスですが、
音声が主なコミュニケーションツールではない聴覚障害者の方や、発話に困難のある方にとっては、その利用に制限がありました。
その電話というとても主要な通信サービスを、手話や文字を通訳してくれるオペレーターを介して、広く使いやすいものにする、というのが電話リレーサービスの概要です。
2021年6月1日より、事前利用登録が開始しているようです。
詳しくは総務省ホームページ
「電話リレーサービスについて」をご覧ください。
電話が使えなくて困ること
当たり前のように電話が使えるわたしたちには想像がつきにくいかもしれませんが、電話が使えないことで困ることはたくさんあります。
◎緊急通報ができない
一番大きいのは、110番・119番などの緊急通報ができないことです。
携帯電話の利用料金に、ユニバーサルサービス料が加算されて久しいですが、ユニバーサルサービス料とは、この緊急通報を無料で提供するために、電話を持つ人が緊急通報の通話料金をちょっとずつ負担する、そのための料金なんですね。
でも携帯電話を持っていることと、通話をすることは同義ではありません。
聴覚や発話に困難があっても、文字を使った通信ができます。
でもこのような使い方をしている方も、ユニバーサルサービス料は負担しています。
さらにこのような使い方をしている方は、ユニバーサルサービスを利用できないのに、です。
このように電話リレーサービスは、
聴覚や発話に困難があっても、緊急通報というユニバーサルサービスを利用できるようになる画期的制度なのです。
◎お店や病院の予約がとれない・問合せができない
店舗や病院など、電話による連絡に限られることがあります。
とくに今のようなコロナ禍で発熱した、咳が出たとして、病院を受診したいけれど、受診しても良いのかなどの相談窓口もすべて電話です。
これに限らず、子どもの学校への連絡などさまざまな場所で「電話」という選択肢しかないことも多いのです。
電話リレーサービスで助かる人がたくさんいる!
この電話リレーサービスに関する法律でも、
「聴覚障害者等」と表記されている通り、聴覚障害をもつ方以外にも有効なサービスなんです。
例えば、
脳梗塞や脳卒中などで言葉を話すことができなくなってしまった、
声帯や喉の病気で声が出せなくなった、
そして場面緘黙症をもつ人。
なんらかの原因で、
今まで電話が使えなかった方は、
わたしが考えつくだけでも、これほど多くいらっしゃるんです。
そして視点を変えてみると、
聴覚や発話に困難のある人に電話連絡を取りたいと思う人にも有効です。
連絡を取りたいけれど、職場の電話番号しかしらないこともあります。
そんなときも、電話リレーサービスを使えば双方の連絡がスムーズに取れるようになるのです。
場面緘黙症をもつ人の希望に
電話リレーサービスを記事にしようと思ったのは、
場面緘黙症をもつ娘のことがあったからです。
場面緘黙症の娘はもちろん電話などできません。
普段は話せる家族となら、電話越しに話すこともできますが、知らない人とはまず無理です。
ですが場面緘黙症をもつ娘が、
110番や119番をしないといけない、
あるいは親の職場に連絡をしないといけないとなったとき、この制度があれば電話が使えるかもしれないんです。
これはとても大きな良い変化です。
困難があっても、それに代わる何かがあれば、
障害は障害ではなくなります。
目的地に到着するための手段は多ければ多い方がいい。
どの道を通っても、目的地に到着できれば、目的が果たせます。
この電話リレーサービスが定着して、
コミュニケーションにハードルの1つがなくなると思うと、ウキウキします!