自転車の練習
自転車ペダルがこげない⁉
~療育っ子の思いがけないつまづきポイント~
日差しがたっぷりと降り注ぎ、風がさわやかなこの季節。
自転車の練習にぴったりですよね。
自転車の練習と聞いて、一番に思い浮かぶのは
補助輪を外して乗れるようになるための練習、ではないでしょうか?
しかし、療育に通う我が家の娘は、
身体を上手く動かすことに、ちょっとした苦手感がありました。
手足、体幹、バランスなど身体全体を使って大きく動く、
作業療法で言うところの「粗大運動」が苦手気味。
そんな娘に補助輪付きの自転車にまたがらせてみたところ、
なんとペダルがうまくこげないのです。
三輪車には乗っていたので、
自転車も同じようなものだろうと思っていたわたしは正直びっくりしました。
まずペダルに足を乗せて、こぎ始めるとき、
利き足である右足のペダルの位置が、真上よりちょっと前にないとこげません。
一番力が入りやすい位置に最初からないといけない。
そして右足のペダルを踏み込んだあと、
今度は左足にバトンタッチしてこぎます。
これらが連続した動作になって、初めて「自転車がこげる状態」になるわけです。
しかしながら娘の場合、
右足のペダルを踏み込んでペダルが真下にくる
↓
左足のペダルは真上にくる
↓
左足が踏み込めない
↓
終了
となってしまうんです。
つまり、ペダルを回しているという意識がなくて、
ペダルを下に踏みつけているだけの動作しかできていないということに気が付きました。
自転車の「ペダルを回す」動きを覚えよう
上の子のときは、このペダルを回す動きができずに困ったという経験はなく、
周りを見渡してみても、あまりここでつまづいてる子を見たことがありませんでした。
なので、
「・・なんで?」少なからずショックだったことをよく覚えています。
ですが、療育っ子が何かを会得しようとするとき、
普段見落としがちな部分につまづいているということがよくあります。
なんでこれができないんだろう?と思ったら、
そこに至る過程をもっと細かなステップに分けてみる。
「スモールステップ」というやつです。
療育に通うようになって、
わたしがこういう視点で娘を見られるようになった、というのも実に大きな収穫です。
というわけで、
前項にちらりと出てきましたが、
ペダルを回すという感覚がないのと、
ペダルを回すとは、どういった足の動きなのか、
これが欠けていることに思い当たりました。
そしたらこれを補えばいい!
と、こんな方法を試してみました。
自転車ペダルをこぐ動きを覚えさせた方法
その1.自転車ペダルが「回る」感覚を養う
1.自転車は傾斜のない平らな場所に置く
2.子どもを後ろ向きに自転車にまたがらせる
3.子どもの足とペダルを一緒に持って、ひたすら回す
補助輪が付いていると、自転車を固定するスタンドが付いていません。
なので後ろ向きに座ってこぐことで、
ベルトを回さず(自転車が動くことなく)に、ペダルを回すことができます。
★自転車が転がらないように、大人が体で自転車を支えましょう★
大人は左右どちらかの子ども足とペダルを一緒に持って、
ペダルをクルクルとゆっくり回します。
子どもは大人が持っていない方の足をペダルから離さないようにします。
難しければ、一時的にゴムバンドなどで固定します。
(固定したら決して子どもの傍から離れないようにしましょう)
そして右と左の膝が交互に上がってくることに意識を向けさせ、
(踏み込む足が)右・左、と掛け声を入れると良いです。
その2.自転車ペダルを回す動きを覚える
その1と同じ座り方で、大人は子どもの足とペダルから手を放すだけです。
子どもが自分で自転車ペダルを回してみます。
これも後ろ向きに座っていることで、
ベルトが回らないため、とても軽い力でペダルを回すことができます。
ほとんど力が要らないくらいです。
そのため子どもは、力を入れることなく
「ペダルを回す動き」を練習できます。
娘のように真下でペダルが動かなくなった時は、
真下ペダルにある子どもの足をちょっと後ろに押してあげます。
「ちょっと後ろに蹴るんだよ」とコツも伝えます。
この繰り返しで、
子どもが一人でペダルを回せるようになったら、もう大丈夫!
普通に自転車にまたがらせてみます。
この時、
今度はペダルはベルトを回す必要があるため、力が要ります。
最初に自転車をこぐ練習をするときは、坂道だと気付かないくらいのゆるい傾斜のある下り坂が適しています。
もしこぎ始めが重そうなら、
自転車ごとそっと後ろから押してあげればいいです。
あとは色んな道をたくさん走って練習するだけです。
我が家の娘はこの方法で、補助輪つきの自転車に乗ることができるようになりました♪
通っていた作業療法の先生にも
「お母さん!しっかりOT(作業療法)できてますよ!」と太鼓判を頂いた方法です。
ちなみにこの次は、補助輪を外すことになりますが・・・
転んだり失敗することが恐怖につながる娘にどうやってさせたらよいものか。
自転車をこげるようになったものの、そこから先へは進めておりません。
どなたか、画期的な方法、教えてください!