気付きにくいてんかん発作
娘は3歳の時にてんかんと診断されました。
恐らく以前から発作は起きていたようですが、わたしはそれがまさかてんかんだったとは、思いもよりませんでした。
そんな経験から、ここではてんかんと気付きにくい「欠神発作」について、娘のケースをもとにご紹介します。
*てんかんについての医学的な情報ではありません。
てんかんについての医学的な情報は、日本てんかん協会のホームページをご覧ください。
気付きにくい欠神発作
度々見かける、ぼーっとする娘。
呼びかけにも答えず、目がうつろになってぼーっとする姿を何度も見てきました。
これが実はてんかんの欠神発作だったのです。
なぜか
・何かをやらないといけない時
・ちょっと注意や小言を言っている時
によく見かけていたので、
わたしは「また逃げてる!」などと思い、時には叱ったりしていました。
ですが、この発作が起きている最中、娘の脳の中では「てんかん波」と呼ばれる脳波の乱れが起きており、意識はとんでいたのです。
聞こえない、見えない時間が10~数十秒続き、意識が戻ったときには、周囲の場面はコロっと変わっている。
そんな時間を過ごしていたんですね・・・
場面がガラリと変わっていて、何が何だか分からないのに、なぜか怒っているお母さんがいて、何をしていたのかも分からないなんて、何よりそれに気付いてもらえていないことが本当に可哀そうなことをした、と今でも思います。
娘の場合は、療育の先生から「もしかして」とてんかんの可能性を指摘され、それが診断と治療に結びついたのですが、この先生には今でも感謝してもしきれません。
知的障害とてんかん
『言葉の遅れ』というキーワードで、ものすごい検索をしていた時期がありました。
その時、インターネットではてんかんが影響して、言葉の遅れが出ていることがあり、抗てんかん薬で言葉の遅れを取り戻した、という情報が色々とでてきました。
これを見て、なんだか1つの可能性を見たような気がしたのです。
もしかしたら、てんかんの治療を進めていくうちに、言葉の遅れも取り戻せるかもしれない!
そう思ったのです。
実際には、娘には言葉の遅れだけではなく、発達が全般的にゆっくりだという知的障害であったため、抗てんかん薬のおかげで言葉の遅れを取り戻したということはありません。
てんかんの先生に聞いたところ、
「てんかんだから知的障害である、とは言えないが、知的障害を持つ子どもがてんかんを持っていることが多い、とは言える」
のだそうです。
そして衝撃的だったのは、何度目かの脳波検査の結果を聞いた際、
『他のお子さんと比べて脳波が全体的にゆっくりです』
と言われたことです。
この頃のわたしは、もう娘のてんかんも知的障害もがっつりと受け止めていましたので、なんだかいろんなことが説明つくな、とスッと腑に落ちたような、そんな感覚でした。
脳波がゆっくりなら、いろんなことがゆっくりなのってしょうがないよね~と笑えるようになった自分も、成長したんだなと思います。
「脳波を刺激する何かないんですか?」
笑いながら先生に聞いてみましたが、
「成長を刺激することがそうなりますかね~」
笑いながら先生も答えてくれました。
一昔前に、ドラマ化された
「アルジャーノンに花束を」でも、突飛な手法には取返しがつかない欠陥が潜んでいるもの。
知的障害を夢のように改善してくれるものはないだろうけど、この子の笑顔をずっと見ていられるような、毎日の関わりを大切にしようと思いました。