お口の発達 ~話す・食べる・歯並び~
目次
発語とお口の発達
赤ちゃんが言葉を覚えていく過程の中には、
- 言葉の存在を知る
- ひらがなの発音をする力
大きくこの2つの過程があるそうです。
絵本の読み聞かせや語りかけなどが大切と言われるのは、「言葉の存在を知る」ためなんですね。
それが言葉として表出するには、言葉を自分の中にある程度溜まっていく必要があり、それは瓶の中に水滴が溜まってあふれ出てくることに例えられます。
ですが、娘のように言葉は溜まっていて、理解はできているけれど、
発語が伸びないという場合には、
発音するための力がまだ育っていない、
というもう一つの発達を考える必要があるようです。
こちらに引越す前に住んでいたところで、
お世話になっていた先生が、最後の寄せ書きのメッセージで伝えてくれた言葉があります。
『よく噛んで食べてね』
まさしくこれは、
発音するための口の動きをサポートする筋肉の発達に関係していたんです。
食べ物をよく噛んで飲み込むという一連の動作には、
ただ口を上下させているだけじゃなくて、
口の中にある食べ物を舌で動かしたり丸めたりします。
噛む、という口の周りの筋肉を刺激して、
かつ舌を上手に使う練習にもなっているんですね!
ちなみに赤ちゃんらしい顔つきの特徴の1つに、ふっくらした下頬というのがあります。
これは、口の周りの筋肉がまだ未発達なことに起因するらしく、
幼い子特有のかわいらしいふっくらとした下頬には、そんな理由があったのです。
発音する力を育むために
一般的にも、子どもには固いものを食べさせましょう、と言われますが・・・
これがなかなか、難しいです。
噛む力を付ける前に、しっかり食べてほしい、
そんな思いからついつい食べやすいものを出してしまいます。
以下はわたしがこれまでに受けた発音を育てるためのアドバイスです。
食材以外にも遊びの中で取り組めるものもありますので、ご紹介します。
- シャボン玉をふく
ふーっと吹く力は、は行などの発音には欠かせない力なのだそうです。
シャボン玉だけではなく、ろうそくを吹き消すのも発音の良い練習になるそうです。 - 舐める練習
お行儀の面ではNGですが、平たいお皿に入れた飲み物を、舐めて飲むというのが、舌の使い方を向上させる良い練習になるそうです。 - アメを噛まずに食べる
こちらも舐める力を育むものですが、飴玉を口の中でコロコロ転がしながら、噛まずに最後まで舐めて食べるのも、口の筋肉を発達させるのに良いそうです。 - ビーフジャーキーなど
こちらは歯医者さんから教えてもらった、「噛みちぎる力」を育むのに、ビーフジャーキーなどが良いそうです。
前歯を使って、力いっぱい噛みちぎる、こんな経験も発音に一役買ってるなんて驚きです。 - ガムを噛む
歯並び対策や集中力を高めるのに、ガムが良いというのは割と一般的に広まってきました。
今では虫歯になりにくいキシリトール入りのガムがあったり、昔より環境は良いですね。
コツは味がなくなったとしてもすぐ出さないこと。
味がなくなったガムは、だんだん固くなり、しっかりと噛むことで、顎も広がりますし、食べる力、発音する力も育める強力アイテムです。
食べこぼしとお口の発達
娘が年長の時、幼稚園の先生から
「食べこぼしが多い」という指摘をもらいました。
就学を控えて、食べこぼしは少ない方が良いです。
その時、療育の先生から教えてもらった食べこぼしを減らすための練習方法です。
食べこぼしを減らす練習
しばらく「食べさせる」ことをするのですが、以下のポイントをしっかり押さえて取り組みます。
- スプーンで一口すくったら、お皿の上で待機し、子どもに食べに来てもらう
- 食べる際、背中を前に押すのではなく、頭を押すようにする
背中を押すと背中が反ってしまい、顔が上を向いてしまうので、頭を軽く押すようにすると、自然とお皿(やや下方)に向きます。 - 子どもが食べに来たら、スプーンは動かさず、子どもが口に取り込むまで待つ
これをしばらく繰り返すと、食物を持ち上げたときなどに顔がキョロキョロすることなく、すくったものを口の力を使って取り込むという筋肉も付けることができます。
食事中でなくても、アイスクリームなど粘度の高い食材をすくって取り込む、という練習も効果が高いです。
この練習で、娘の食べこぼしは劇的に減り、幼稚園の先生にも驚いてもらえました。
歯並びとお口の発達
口の周りの筋肉が発達していないことで、
思わぬ影響がある、と教えてくださったのは、娘が通う歯医者さんです。
最近の子どもは、普段何もしていない時にお口が空いていて、「ぽかん」としていることが多いそうです。
この「ぽかん」状態が続くと、
- 口の中が乾いて虫歯になりやすい
- 感染症にかかりやすい
- 口を閉じた時の舌の位置が悪く、歯並びに影響する
のだそうです。
特に口を閉じた時に、正しい舌の位置は、上あごにくっついていて、かつ、前歯に当たらないとこと、だそうです。
舌の先で前歯を常に触っていると、歯が前に押されて徐々に歯並びを乱していくそうです。
お口の周りの筋肉を鍛える方法
- 固いものを食べる
上述の「発音する力を育むために」で記載の内容も当てはまります。 - 舌の体操
舌先で唇を1周する - あいうべ体操
口を大きく動かして、
「あー・いー・うー・べー(舌を思いっきり出す)」 - ブクブクうがいをしっかりする
歯磨きの後、含んだ水を左右交互にしっかり頬を膨らませるように。
水が口から飛び出さないように、しっかり唇を閉じて。