子育ていろいろ

舌下免疫療法と生活リズム

今回は舌下免疫療法にまつわる話題です。

アレルギーの症状を抑える治療ではなく、アレルギーそのものを根本から治療する、「舌下免疫療法」をご存知ですか?

我が家では、アレルギー体質の上の子が、
1年半ほど前から治療を開始したのですが、この舌下免疫療法の服薬のタイミングがなかなかシビアなのです。

上の子はちょうどこの春から中学校に進学し、生活のリズムが小学校時代とがらりと変わったことで、服薬のタイミングが難しく、療育っ子の娘を含む家族との時間調整が大変です。
毎日試行錯誤、というより芸能人をも凌ぐ(?)分刻みのスケジュール調整が必要です。

本記事では舌下免疫療法についてや、
服薬のタイミングを確保するためにやっている我が家の取組をご紹介します!

目次

舌下免疫療法とは

スギ花粉症またはアレルギー性鼻炎と診断された方が受けられる保険適応の治療です。

アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に取り入れ、アレルギー反応を弱めていく(減感作)治療法です。
現在、スギ花粉症とダニ(ハウスダスト)のアレルギー症状を根本的に治すことができる唯一の治療法で、治療期間が3~5年と、根気のいる治療です。

治療に使う薬剤は、スギとダニの2種類で、上の子はまずアレルギー性鼻炎の主な原因になっているダニからスタートしました。

この舌下免疫療法を始めた理由は、
アレルギー性鼻炎に加えシラカバ系の花粉症も持っており、その影響からリンゴや梨などの果物にもアレルギー反応が出るようになったことが一つです。

もともと上の子は果物が大好き。
それなのに、食べられない果物が増えるような感じでした。

桃などの毛のある果物も怪しくなってきたんです。

それに加え、治療を始めたの小学校5年生の頃で、まだ子ども医療証が使える年代ではありましたが、将来的には花粉症やアレルギー性鼻炎にかかる診療代や薬剤費を3割負担しないといけなくなります。

アレルギー性鼻炎は季節と関係なく症状が出るため、ずっと定期受診と毎日の服薬が必要です。

そしてゆくゆくは、自分でこの医療費を支払わなければいけなくなります。

そこで、子ども医療証が使える間に、
それも治療期間が3年以上かかるのだとしたら、
始めるのはこれがラストチャンスだと思って、治療に踏み切りました。

アレルギー症状だけではなく、
アレルギーそのものを治療するわけなので、将来的に通院・服薬から解放される!そんな期待を込めて。

というのは、舌下免疫療法のメリットの1つとして、
例えばダニで始めた舌下免疫療法で、効果が出始めれば、ダニに対するアレルギーだけではなく、その他のアレルギー症状も緩和していく、と医師から説明があったからです!

うまくいけば、大好きな果物も食べられるようになるかもしれません♪

服薬方法とタイミング

◎服薬の方法:錠剤を舌下でゆっくり溶かす

◎服薬の注意点:錠剤が溶けてから5分は飲食禁止

◎服薬のタイミング:入浴を含む運動から前後2時間、あける必要がある

前後2時間運動できない理由
運動すると血液循環が一時的に量・スピードともにアップします。
そして免疫系を刺激するこの舌下免疫療法は、軽いアレルギー反応を誘発していることと同じです。
なので、血液循環が一時的にアップすることで、アレルギー反応が軽いものでは済まない危険性があります。
実際、副作用としてアナフィラキシーショックが挙げられています。
そのため、服薬前後はなるべく平常時であることが求められる、というわけです。

舌下免疫療法、最大の難関は服薬のタイミング

さて、舌下免疫療法最大の難関は、この服薬のタイミングです。

前後2時間、運動や入浴と間隔をあけなければならず、当初医師から勧められた服薬のタイミングは朝一番。

朝一番というと、服薬の前後の「前」を考えなくて良いため、服薬してから2時間後に運動してもよい、ということになります。

ただ、この運動というのは、
我が家の上の子のように、学校まで走ったりするような場合も含まれるのです。

ゆったりと歩いていけば1時間目に体育などがなければ、起きてすぐに服薬しても2時間確保しやすいのですが、子どもというのはすぐに走りますよね笑

そうなると、登校時刻の2時間前に起きて服薬する必要があります。

出発よりも2時間も早く起きられるわけがありません。

というわけで、小学生の間は帰宅してから(外に遊びに行ったりしなければ)だいたい夕飯時になれば服薬ができる時間になります。

夕飯の後すぐに服薬して、お風呂まで2時間あける。

このスタイルで何とかやってきました。

それでも毎日欠かさず服用することが求められますが、
場合によっては飲み忘れ、また体調を崩した時は服薬後の息苦しくなる副作用が強く出るため、なかなか思うように進みません。

受診のタイミングを逸してしまったときは、主治医に怒られます。

それは適当な飲み方をしていると命に関わるからです。

そこで中学校進学を目前に、上の子と話し合い、治療を断念することも考えました。

本人の治療へのモチベーションがなければ、これ以上続けられないと思ったのです。

めんどくさいし、飲んだ後しんどいし、母が口うるさく言うし・・
と思っていた上の子も、きちんと話し終えたあとには
「続ける」と決意。

そして中学校に進学しました。

生活リズムの変化による影響

中学校に進学しても、
最初のころはまだ部活もなく、だいたい小学校と同じくらいの時間には帰宅していました。

ですがほどなく部活が始まります。

自治体にもよりますが、
わたしたちの住む自治体では、中学校の部活は入部が必須。
絶対に入らなければならないのです。
(習い事などで忙しい場合にはボランティア部という活動の少ない部に入部するそうです)

上の子はかねてより希望していた運動部に入りました。

その結果。

部活が終わって帰宅するのは18時を超えています。
遅い時には18時半~19時近くなることもあります。

そして帰ってきたら宿題・ごはん・お風呂・ついでにゲームもしたい。

いつ?
いつ薬を飲むんですか?

それに上の子一人じゃありません。

療育っ子の娘は、翌日の学校に備えて、遅くとも19時半にはお風呂に入らないと一日回りません。
そして療育っ子の娘は、放課後等デイサービスに行ってから帰宅するので、帰宅は17時頃。

こうなると、17時以降が分刻みとなります。

上の子が帰宅してから2時間あけて、入浴したとして、
入浴が遅れれば遅れるほど、就寝時間が遅くなってしまいます。

わたしと娘がお風呂から上がるのはだいたい20時を超えています。
そうなると上の子は、薬を飲むためだけに23時くらいまで起きておく必要があり、とても現実的ではありません。

これは・・・
舌下免疫療法を続けるためには、生活リズムに更なる工夫がいると痛感しました。

舌下免疫療法のための時間調整

◎バージョン1

【運動と入浴の時間をくっつける】

運動してからお風呂まで時間をあける必要はない!

そう思い、帰宅したらまず上の子がお風呂に入る。

これでお風呂さえ終わってしまえば、そこから2時間あければ服薬し、いつでも就寝できます♬

これで行こう!

上の子帰宅

上の子お風呂

夕飯

わたしと娘がお風呂

服薬・就寝

《問題点》
・娘が「わたしも先にお風呂がいい」と言い出す
・上の子「腹減った 早くご飯!」と言い出す
・上の子の帰宅時間がさらに遅くなると、娘のお風呂が遅くなり就寝が遅くなる

部活動が本格的に始まった今、
上の子の帰宅がどんどん遅くなり、わたしと娘が先にご飯を食べる日が増えてきました。

そうなると、
上の子がどんなに腹ペコでも、お風呂に行ってくれないと、娘のお風呂が遅くなるのでとても困ります。

さらに、
上の子がご飯を食べている間に、わたしと娘はお風呂に行かざるを得ず、上の子が一人でご飯を食べることになってしまいます。

これは悲しい。

腹ペコ絶頂の上の子は、機嫌も悪く、
娘の入浴リミットの19時半が近づくとわたしもイライラする。

これも良くない。

ということで、バージョン2に移行します。

◎バージョン2

【動かせるところを動かす】

上の子の帰宅が遅れるなら、
わたしと娘が先にお風呂に入ればいい!

17時ごろに放課後デイから帰宅した娘の片づけが終わったら、すぐお風呂!

そうすることで、
上の子が帰宅後すぐにお風呂でも、腹ペコだから先にご飯でも対応してあげられます。
上の子はご飯を食べたあとすぐにお風呂に入れますからね!

さらに一緒にご飯を食べられます♪

わたしと娘がお風呂

上の子帰宅

上の子お風呂 または みんなで夕飯

みんなで夕飯 または 上の子お風呂

娘が就寝

上の子服薬し就寝

これで時間調整はバッチリです!

ですが、問題点もまだあります。

《問題点》
・娘がお風呂のタイミングで、見たいテレビが始まってしまう
・娘の帰宅までに、お風呂の準備と夕飯の準備が完了している必要がある
(これがとても大変;;)

今後更なるバージョン変更が必要になるかもしれませんが、
とりあえず今は舌下免疫療法と生活時間を調整するのに、
これがベスト、というかこれしかない、という感じで頑張っています。

まとめ

いかがでしたか?

わたしの住む地域では、まだあまりメジャーな治療法ではないようですが、
将来的にアレルギーから解放される身体になれれば、言う事ありませんよね。

現時点での舌下免疫療法の効果ですが、
まだ鼻炎の症状が良くなっているという実感はありません。

治療を始めてまだ1年半。
焦らずに続けていきたいと思いますが、本人のモチベーションも心配ではあります。

治療の効果は約束されたものではありませんし、
効果が出るまで長くかかるというのは、とても忍耐のいることです。

続けていれば効果もそのうち・・と期待するところですが、
飲んだのか飲んでないのか、チェックができないことも多く、
また、いちいち「飲んだ?」と聞くと、
うるせーな!という目で見られたり機嫌が悪くなったりするので、難しいところです・・・

受診のタイミングで、飲み残しが多いようであれば、
継続か中断か、また判断を迫られることがあるかもしれません。

ですが今は、
上の子の状態や気持ちに伴走する形で、付き合ってみたいと思います。

ただ、
舌下免疫療法をのために生活時間を工夫したことで、別の良いこともありました。

先にお風呂に入ることで、
お腹が空くらしく、娘の食べっぷりが良くなりました^^

娘の帰宅までにお風呂の準備と夕飯の準備、
これがなかなか大変なのですが、
上の子はいよいよ思春期という感じで、親離れしていくんだなと思うと・・

そして普段は療育っ子の娘のことで手一杯になることも多く、
兄弟分け隔てなく、という気持ちとは裏腹に、一人一人にかける時間は明らかに違います。

気持ちだけは分け隔てなくしているつもりですが、
やっぱり上の子はこれまでも寂しい思いをすることがあったと思います。

今後、本格的に思春期に入って、
実際に何か手を貸すなど、親がしてあげられることが減っていくのであれば、見えない所でサポートするしかない、そう思って、お風呂と夕飯の準備を乗り切っていきたいと思います。

そんなことを言ってるクセに、
昨夜はなんだか上の子の機嫌も悪く(思春期だって言ってますよね笑)、
お風呂と夕飯の準備をあらかた済ませて、娘とお風呂に入り、上の子がお風呂から出てきてもまだすぐには食べられない状況に「あーーーお腹すいたーー!!!」と切れ気味に言われたことに、ブチ切れました。

いやいや、
見えない所で全力でサポートはしますが、わたしは仏ではありません。

怒ってもいいと思う!

要は怒ってもブチ切れても、愛情があればよし。

「そこに愛はあるんか?」

名ゼリフですね!

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