子育ていろいろ

思春期の子どものイライラ

~子どもの思春期を科学する~

思春期の子ども
関連記事「思春期の子ども」

以前の記事「思春期の子ども」で触れましたが、
我が家の上の子は、現在中学1年生の男の子です。

そう、絶賛思春期真っ最中!

感情があっちこっちに振れて、
付き合うこちらも感情が振り回されて大変です。

子どもの思春期 不安定

そんな思春期を、
我が子をベースに、ちょっと科学的に考えてみました。

目次

思春期と言えば

体が大人に近づき始める時期であると同時に、
心も子どもと大人の狭間で揺れ動く不安的な時期です。

‣心の不安定

小学校高学年から中学生くらいの時期は、思春期前期。
それ以降は思春期後期と呼ばれています。

この思春期前期に差し掛かってくると、

「最近イライラしやすいみたい」

「口数が減った」

「親に対して反抗的な言動」

こんな風に感じてしまいます。

思春期の子ども 不安定な心

頭で理解していても、
親にとっては頭痛のタネになってしまいます。

‣第二次性徴による体の変化

この時期、男の子には精通があったり、
女の子は初潮を迎えたり、
実感を伴う体の変化が起きてきます。

そしてこの時期の、特に男の子は、
そんな体の変化についていちいち親に話してくれたりしませんよね。

女の子の場合は、
処理の仕方を教えてあげたり、
特に女親がしてあげられること、
把握できることも多いかもしれません。

男の子でも女の子でも、
自分の体のこんな変化に戸惑ってしまうことも多く、
その戸惑いも心の不安定さを助長してしまいます。

思春期の子ども

そしてニキビ。

お肌の悩みは深刻です。
これも今までなかったものですし、
顔という見た目に直結するため、
子どもは「イヤだ~❕❕」とイライラする原因にもなります。

思春期の子ども ニキビ

思春期はホルモンバランスが変わる時期

こんな子どもの思春期ですが、
これはホルモンバランス、
特に性ホルモンのバランスが変わってくることと深い関係があると考えます。

思春期の子ども ホルモンバランス
表1「思春期に分泌がさかんになる性ホルモン」

大きくこれらの性ホルモンが関与していると考えられます。

まず、表の右上、
男女ともに性腺刺激ホルモンのゴナドトロピンの分泌がさかんになります。

そしてこれを受けて男の子の場合は、
表の右下、
男性ホルモンのテストステロンの分泌がアップします。

女の子の場合は
表の左半分、
プロゲステロン、エストロゲンの分泌がアップします。

プロゲステロンは主に子宮や卵巣などの生殖器系、
エストロゲンは女性らしい体つきに関与しています。

ホルモンバランスと思考パターンの関係

さて、おもしろいのが、
これらのホルモンを嗅覚反応分析の視点で分類すると、
それらの持つ特徴から、思考パターンが分析できるところです。

下の図を見てください。

思春期の子どもの思考パターン
表2「思春期に関わる性ホルモンと思考パターンの関係」

これは表1「思春期に分泌がさかんになる性ホルモン」の上に、
思考パターンを落とし込んだものです。

もう思春期そのものじゃないですか?

特に、男女ともに分泌がアップする
性腺刺激ホルモンが分類されている右上のボックス。

これは思春期に入って、
大人を敵視し始める原因とも言える思考パターンだと思います。

自分なりの考え方、
自分の経験から導き出した結論、
見たり聞いたりしたことを論理的に組み立てることによって、
考え方に「自分軸」が強く出始めることを裏付けています。

なんか分かったような偉そうな口ぶりで、
大人と対等に口論をして、
負かしてやろうという気満々です。

思春期の子ども 親との言い争い

大人から見れば、
なんだかんだまだ甘い所がいっぱいあって、
対応に困ることもしばしばありますが、
本人たちは本気です。

我が家の上の子も、やっぱり道理が通らないことが許せないようです。

また、間接的影響ですが、
フェイスラインのニキビにも関係していると言えます。

思春期 男の子の場合

思春期の男の子

男の子の場合、
男性ホルモンは男性らしい体つきに関与しています。

筋肉がついてがっしりしてきます。

そしてこの男性ホルモンが分類されるところは、
周りとの競争によって、
いかに自分の立場を守るか、
そんな思考パターンに深く関係しています。

そのため、
周りをライバル視したり、
もっと言えば敵視したりして、
競争に勝つために感情が尖ってきます。

これが周囲に同調することなく、
思いやりに欠けた
強く、ケンカ腰の口調や態度に結びついていると考えられます。

とりわけ家族に対しては関係の根底には強い絆があり、
それが甘え、つまり気遣いをしなくていい相手、という位置づけになりがちです。

学校など自分の「社会」では、
関係を良好に保つための気遣いをしている子どもたちですが、
溜まりやすいイライラは、吐き出しやすい相手に集中してしまうと言えます。

我が家の上の子も、
思春期のイライラが強くでているときは、
とりわけ我が家の療育っ子に思いやりのない暴言を吐き、
やっつけてやろうという気満々で、次々に罵声が飛んできます。

あまりにひどい時は、止めに入ることもあるくらいです。

道理が通ってないと怒るクセに、
道理が通らない怒りをぶつけてくるので、
こちらはそこを突くような𠮟り方をするようにしています。

またこの男性ホルモンの影響で、
皮脂分泌がさかんになり、体臭やTゾーンのニキビが増えると言えます。

思春期 女の子の場合

思春期女の子

女の子の場合は複雑です。

女性ホルモン自体が、
ホルモン分類でちがうブロックに分類されるからです。

◎女性ホルモンエストロゲンの影響

まず表左下の女性らしい体つきに関わるエストロゲンから。

このエリアは生存欲求、
つまり種の保存に深く関わる部分です。

いかにパートナーに選ばれ、子孫を残すことに貢献するか。
そんな動物の本能的な部分に関係しているが故の思考パターンになりやすいのです。

パートナーに選ばれるためには、
自己主張、それも周囲と比べて秀でている必要があります。

そのため、
自分が認められたい、
周りよりも良く見られたい、
自分が何かしたらそれに見合う見返りが欲しい、
こういった思考パターンになりやすいです。

ですが、思春期の子どもたちが身を置く学校は、
周りの子どももみんな思春期。

つまりみんながそういう思考パターンに陥っている可能性がある状態。

ですが先ほどの男の子の場合と同じで、
自分が身を置く社会で、良好な関係を保つ、
あるいはそう見せかけるための気遣いは必須です。

そうなると、
腹の探り合いだったり、
好きな男の子をめぐって水面下での争い、
そしてうまくいかないことへの不満から来るイライラ。

思春期 女の子同士の争い

こんなことが起きてくるんですね~

女って怖い。

わたしも女ですが。笑

記憶をたどれば思い当たることがたくさんありました!汗

◎女性ホルモンプロゲステロンの影響

次にホルモン分類表の左下にあるプロゲステロンの影響についてです。

ここは一言でいうと、「守り」の部分。

争いを避けたいという思考が強く働くため、
自らトラブルに関わることは少ないのですが、
周囲の怒りなどの負の感情をもらってしまいやすい状態。

自分の意見は言わない方が、トラブルに巻き込まれません。

自分の負の感情は表に出さない方が安全です。

ですが周りの感情や意見を自分の中に取り込んでしまう上に、
自分の真意は隠したままなので、
本当は違うのに、本当はこう思っているのに、そのジレンマに挟まれてうつうつと悩んでしまいやすい、と考えられます。

思春期になって、
あまり学校のこと話してくれなくなったわ・・
そんな要因の一つがここにあります。

うかつに悩んでいることを親に知られたりすると、
余計に面倒なことになる、余計な争いが生じると考えてしまうためです。

波風たてずに過ごすことで、去る嵐ならこれでいいと思います。

ただ、本当につらい時は発信してほしいですよね。

また、間接的な影響ですが、
食欲や体重増加にも深く関係しているため、
見た目を気にする思春期になって、
体重を気にするあまり食事制限をしたがることにもつながっています。

思春期の子ども ダイエット

そして女の子の思春期を理解する上で忘れてはならないのが「月経周期」。

女性は自覚のある方が多いと思いますが、
月経周期によって、
感情の浮き沈みや調子の良し悪しが全然違いますよね。

これは思春期であっても同じこと。

とくに思春期はホルモンバランスが変化する過渡期なので、
この月経周期による調子の良し悪しも強く出る傾向にあります。

女の子の場合は、思春期という長い期間の中でも
ひと月という期間の中で、
さらに自分の調子が変化してしまうので、大変なのです。

思春期は本来持っている気質が強く出る

ホルモンと思考パターンの関係については、
前述したとおりですが、
子どもによって思春期の言動には違いがあります。

これはその子がもともと、どんな思考パターンを持っているかによります。

なんだか当たり前のことを言っているようですが、
例えばもともと穏やかで人当たりがソフトな男の子は、
言動が乱暴だ、と感じるよりも、
口数が減ったな、と感じるようになるなどです。

仮に何か言いたいことがあったとしても、
争いを避けたいという心理が残っているため、
「話さない」ことで争いや面倒事を遠ざけていると考えられます。

「めし・ふろ・寝る」

思春期の子ども 口数が減る

これしか言わない・・

これは余計なことを言って、親と面倒な争いをしたくないから。

またもう一つの例としては、
もともと論理的な思考が得意な子は、
ますます理屈っぽくなって、
親の上げ足を取るようなことを言ったり、
親の感情に任せた怒りや道理の通らない説教などに嫌悪感を示し、
斜にかまえた態度で理路整然と応戦してくる。

ときに親がぐうの音も出ないような事を
ズバっと言ってきたりして、親が凹む、なんてことになります。

思春期の子ども 落ち込む母

また、もともと論理的思考の苦手なタイプの子は、
自分の考え軸に合わないことを受け入れたくないのに、
自分がうまく説明できなかったり、相手の論述に負けてうまく言い返せないことがストレスになってイライラすることもあります。

イライラは、自分の思い通りにならないときに抱く感情なのですね。

一口にイライラといっても、
子どものタイプによってその根っこが違うようです。

思春期の思考パターンが分かれば怖くない

思春期の子どもと向き合う親

自分でも覚えがありますが、
この思春期のイライラなどの不安定さ、
自分でもどうすることもできないんですよね。

でも子どもから大人への過渡期である思春期は、
いずれ落ち着きます。

子ども自身も親も、
思春期と上手に付き合って、
ダメージを貯めないようにやり過ごしたいものです。

思春期のホルモンバランスの変化がもたらす思考パターンがわかれば、思春期だって怖くない!

次回はこの取り扱い注意な思春期を、
乗り切るためのヒントをまとめたいと思います。

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