療育日記

言葉の遅れ ~考えられる原因~

幼児期に、言葉が遅れているなと感じた時、
それが発達そのものに起因するか、それとも別の可能性があるのか?

今回は
わたしが娘の「言葉が遅れている」原因かな?
とその可能性について検証したみた経験をご紹介します。

言葉の遅れの原因候補

療育年表に詳しく掲載していますが、
最初に娘の言葉の遅れが気になりだしたのは娘が1歳半~2歳頃です。

この頃の子どもの発達は、とても個人差が大きいです。
我が家でも上の子の場合は、逆にとても早く、1歳半頃には割と会話が成り立つほどでした。

その経験もあって、
というか子育てについてはその経験しかなく、
若い頃は子どもに興味のない人間だったので、一般的な発達についての感覚というものがありませんでした。

なので基準となるのは上の子だけ、
ということもあり、割と早い段階から気にしていたと思います。

そこで色々調べ始めて、見つけ出した原因候補が以下の4点です。

《言葉の遅れの原因候補》

①言葉を覚えている最中である
②大人が先回りして行動してしまうから
③隠れたてんかんがある
④耳の聞こえに問題がある

①から④までありますが、だいたい時系列に考えたことになっています。
1つずつご紹介します。

①言葉を覚えている最中である

これはもうよく耳にします。

言葉が出る(発語がある)前には、
子どもが聞いて分かる言葉をある程度覚える必要がある。

その「聞いて分かる言葉」が少しでも話し出せる子と、
それがたくさん必要な子がいて、言葉のゆっくりな子どもはたくさんの言葉を先に覚えようとしているんですよ。

そしてそれはよくコップの水に例えられます。
注がれた水がコップからあふれたとき、発語が見られるようになる、という考え方です。

確かに娘の場合も、
発語こそ見られませんでしたが、こちらの言うことはある程度理解しているような感じでした。

簡単な指示にも従えるし、当初はこれに納得していました。

②大人が先回りして行動してしまうから

子どもが何か欲しそうにしていると、
大人がそれを的確に察するがあまり、子どもが要求を伝える前に子どもの要求に応えてしまう。

そのため子どもはジェスチャーや言葉で自分の要求を伝えるという経験が積めず、結果的に発語が遅れてしまう、という考え方です。

なるほど。

自分自身の行動を振り返りつつ、もう一つ思ったことは上の子の存在。

娘が1歳半のとき、上の子は5歳、年中さんです。

ありがたいことに、上の子は妹をとてもかわいがり、
また娘の要求を察する力のあまり、甲斐甲斐しくお世話をしてくれていました。

母としてはとても助かりますし、
何よりそんな2人の様子がかわいくて仕方ありません。

でも・・・
もしかして言葉の遅れに関係してる?

この頃相談したのが、自治体の1歳半健診の時です。

保健師さんに発達の相談ができるというので、お願いしました。

ここでわたしは、上の子と娘の関わり方についても相談してみました。

「上の子がたくさんお世話をしてくれるので助かりますが、言葉の発達にも影響があるのでしょうか・・・」

この時対応して下さった保健師さんからは、
上の子の関わり方は、現時点で言葉の遅れとの関係は大きそうなので、
「妹ちゃんの言葉を育てるためにお兄ちゃんも協力して」とお願いしてみては?
お世話してくれるほど頼もしいお兄ちゃんならきっと協力してくれますよ!
とアドバイスしてもらったことをよく覚えています。

そして療育年表にもありますが、
この時の判断は「目立った所見がなく様子見」でした。

この後、色々取り組んでは見ましたが、結果的には思うように言葉が増えませんでした。

③隠れたてんかんがある

「言葉 遅れ」などとインターネットで検索すると
「抗てんかん薬」を飲み始めたら、言葉が出始めた!という記述を目にすることがあります。

もしかして娘も⁉
と思ったりしましたが、この時点でてんかんと思しき発作は見かけたことがありませんでした。

後に判明しますが、
娘は「欠神てんかん」という、ただボーっとしているように見えるタイプの発作を起こすてんかんを持っていました。
そして抗てんかん薬を服用して治療を始めますが、娘の場合は抗てんかん薬を服用してから劇的に言葉が増えたといいうことはありませんでした。

てんかんと一口にいっても、色んな種類があります。

色んな種類、というのは
色んなタイプの発作型があり、
発作を誘発するてんかん波が脳のどの部分で起こっているのか、
についてもたくさんの種類があります。

娘がてんかんを持ってはいますが、
脳波のこと、脳の場所・・などなどとても理解が難しい病気です。

そして、言葉の発達に影響を及ぼすかどうかも、
てんかんの種類によるそうです。

特に脳のどの部分にてんかん波が生じているか、ということが大きく関係するようです。

従いまして、娘の場合はこの可能性も違っていました。

④耳の聞こえに問題がある

こちらもよく言われていますね。

確か1歳半健診のとき、
簡単な聴力検査と視力検査を事前に自宅で実施してください、とありました。

この自宅での検査、
聴力ならささやき声で呼びかけて反応するか、
視力なら数メートル離れたところで絵を見せて、同じのを選ばせる、
のようなものだっと記憶しています。

これも娘はクリアしていました。

なので聞こえている!と判断。

その後、
聴力に問題がなくても、
耳にずっと羊水が溜まっていて、聞こえていなかった、
耳にでっかい耳垢があって耳を塞いで聞こえていなかった、
などという例を耳にします。

そして聴力検査を受けてみようと思った決定的な情報が、
「普段聞こえていそうでも、ある音域、ある周波数の音だけが聞こえにくいという難聴もある」
ということです。

これは幼稚園に巡回で来てくれていた、作業療法士の先生が教えてくれて、
一度聴力検査を受けてみては?と背中を押してくれました。

いざ聴力検査へ

聴力検査は一般の耳鼻科のクリニックでもしてもらえますが、
発達と一緒に診てほしかったのと、できれば精密検査もしてほしいと思ったので、
発達外来を開設する大きな病院の耳鼻科を受診することにしました。

ところが。

聴力検査でまさかの壁が。

それは娘の場面緘黙症のスイッチが入りまくり、
聴力検査の聞こえたら押すあのボタンが押せないという事態に。

それでも検査技師さん、
音が聞こえた時の娘のチラリと目を動かす表情で、推定聴力を出してくれました。
本当にありがとうございました;;

そして新生児の聴力スクリーニングの時に使う機械でも測ってくれました。

精密検査はしませんでしたが、
この程度聞こえていれば、言葉の発達に影響を及ぼすことは考えにくい。
そういう結果でした。

「耳の聞こえも問題ありませんでした・・・。」

残念そうに先の作業療法士の先生に報告してしまいました。

「お母さん!聞こえに問題がなかったことは、喜ぶべきことですよ!」

もうハッとしました。

言葉の遅れの原因を探すことに躍起になっていたばかりに、
娘の聴力に問題がなかったことを喜べなかったわたし・・・

1つの心配ごとにこだわり過ぎるあまりに、
物事の本質、大事なことを忘れていました。

その後、
療育を続けながら娘の成長と発達の具合から、知的な遅れがあることが判明します。

言葉の遅れの原因が判明するまでの長い時間、
もどかしい思いもたくさんしたし、
ああでもないこうでもないと考えたことは一見無駄なように思えますが、
きっと、他の可能性を否定できたことは、良いことなんだと思います。

娘の場合は場面緘黙症のため、
家の外で家族以外と会話のトレーニングも発音の練習もできません。

ゆっくりでも焦らずに、
家でたくさん話しかけて娘の言葉が育ってくるのをひたすら待つ。

結局それ以外、できることはありませんでしたが、
娘なりに、娘のペースで少しずつ育ってきています♪

以前のことを思い出して書いていますが、現在新たな心配事が浮上⁉

新たな心配事については近日中に投稿予定です!

Follow me!

PAGE TOP