「いい子」との関わり方
「子育てのヒント」記事で最後に取り上げたType3のお子さんについてまとめた記事になります。
「いい子」と思われる理由
Type3のお子さんが、「いい子」と周りに思われる理由としての特徴ですが、
- 穏やかで平和を好み、争いを嫌う
- 空気を読むのが得意で、その場にふさわしいと思う言動を選択する
- 頼み事は断れない
というのが挙げられます。
これは、人付き合い、という観点からも、最も好まれるものですよね。
なので、このタイプのお子さんのこういうところはもちろん長所なんです!
最近よく言われる言葉の中に、
「いい子ほど気を付けて」
の、「いい子」としての根っこにあるもの、それを周りの大人が知っておく必要がある、そんな意味なんですね。
ではこのタイプの根っこにあるもの、
それは、前回もでてきましたが、
言動の軸が自分ではなく、周囲にあることです。
本当は自分の気持ちではない、自分がやりたいことではないことでも、周囲の期待や声、空気感が勝ってしまい、自分の欲求を飲み込んでしまいがち、なところがあると言えます。
そのため、周りが気付かないうちに、ストレスをため込んでしまい、周りは「突然」と感じるタイミングで我慢が限界に達してしまう、これに気を付けてあげましょう、ということなんです。
ご本人にしても、意識的に自分を抑え込んでいるというより、
「なんかそうしてしまう」のだと思います。
自分の意見を前に出した方がいいと分かっていても、
できない状態、と言い換えることができます。
また、それをストレスだと感じていない場合もあります。
周りとしては、
「いいよ」と言ってくれるので、ついついお願いをしてしまう。
「分かった」と言ってくれるので、ついつい我慢をさせてしまう。
子育てと言っても、家族は助け合いだと思います。
なので、本当に困っているときには、誰よりも頼りになる存在。
そんな大事な存在のお子さんに、
もっと自分を表現して、時にはワガママを言ってほしいと思う親御さんも多いのではないかと思います。
「いい子」な「状態」であるということ
嗅覚反応分析では、性格とは持って生まれた気質をベースに、環境要因*が色濃く影響していて、環境要因を変えることで、「反応性」を変えることができる、と考えています。
*環境要因とはその人の生活スタイルや身体の動かし方など。
*性格について詳しくはこちらをご覧ください。
つまり、「いい子」な「状態」である、と言い換えることができ、食事や運動を意識することや、関わり方を工夫することで自分を出しやすくなる、そう考えています。
身体の状態
場の空気を読み、その場に適した言動をする、という「反応性」と身体の使い方の関係をご紹介します。
心と身体は繋がっている、
本サイトでも度々登場する言葉ですが、
人間の活動は大きく以下の4つに分けることができます。
- 活動モード
- 休息モード
- 思考モード
- 集団モード
この4つのモードは、身体の中でどこが管轄しているのか、によって調節されています。
- 活動モード=交感神経・・競争、勝利、自己主張
- 休息モード=副交感神経・・回復、防衛、享受
- 思考モード=脳・中枢神経・・知識や経験を得る
- 集団モード=大脳辺縁系(本能行動)・性ホルモン・・コミュニティを形成、種の保存
基本的にはこの4つのモードを、上手く切り替えることで、人間社会が成り立っているのですが、多くの人の場合、4つのモードの中で得意・不得意のモードがあります。
その得意なモードがどこかによって「反応性」が変わる、
見た目の性格が変わる、という事ができます。
Type3のお子さんの場合は
「休息モード」が全面に出ている、と考えられます。
そのため、争いを回避する、エネルギーなどをなるべく外に出さないようにする、という身体の使い方をしていることが多い、と言うことができます。
反応性を活かした関わり方
‣話を聞き出すヒント
自分のことを表現するのが苦手な傾向にあるお子さんが、話をしやすくなるポイントをご紹介します。
・話の聞き方は「共感ベース」
お子さんが何かを話し始めた時は、『否定しない』が鉄則です。
違和感があってもすべて一旦受け止めます。
普段いろいろなことを受け止めていて、自分を受け止めてもらうことが不足しがちな状態です。
その「受け止めてもらっていない」という不足をしっかり補うイメージです。
そのうえで、
「あなたの気持ち、よくわかるわ。話してくれたことが嬉しい」を最前面に出します。
周囲に共感することが多いので、自分に「共感してもらう」を補います。
・話の切り出しは「相談ベース」
なかなか自分のことを話してくれず、気がかりなときは、いきなり「なんか困ってることあるんじゃない?」と切り出すと、「いや、別に・・・」と返されたときに、打つ手がなくなってしまいます。
まずは「会話」ができる状況を作ります。
具体的には、こちらのプチ悩みなどを聞いてもらう、など
「相談ベース」で、聞いてもらうことから始めます。
「こんな嫌なことがあった」とか、
「こんなことで困ってる」とか、
些細なことでいいので、話してみます。
相手の心に寄り添うことがとても自然にできるタイプのため、
まずはそこにアプローチをして、「会話」をする状況を意図的に作り出すイメージです。
そのうえで、
『あなたも毎日学校で大変よね。いろんな人がいるもんね』
『宿題ばっかり、嫌になっちゃうよね』
兄弟のことで我慢してるなと思ったら、
『(ご兄弟の)○○ちゃんのこういうところ、お母さんも大変だよ~』
と、お子さんから聞きたい内容をさりげなく振ってみます。
お子さんの心の隅に、関連するような「我慢」が溜まっていないか、をイメージします。
そして、
「そうでもないよ」と返ってきたら、大丈夫。
「そうなんだよね~」と返ってきたら、チャンスです。
『あ!やっぱり~?分かるわ❕』とまず共感を示して、その先の話を促してみます。
自分の子どもの時にはこういうことがあった、
その時どんな気持ちだったか、と
自分の経験などを交えて「会話」を楽しめるといいですね。
・話の終わりには
『話を聞いてくれてありがとう、なんだかスッキリしたわ🎵』
『また話しようね!今度は2人でケーキでも食べながら、とかいいね!』
『今度のお出かけは、あなたが行きたいところに行こう!』
自分の話を聞いてもらうことが大事なんだ、
いつでもあなたの味方、
いつでもあなたの話を聞きたい、
を伝え続けます。
自分から気持ちを表現することが苦手だということは、
表現したくない、ということではないので、
「安心して表現できる」機会を設定し、発信していくことで心のガス抜きをしてあげられると思います。
・約束したことは必ず実行する
もし会話の中で、何かを約束したなら、
その時は何が何でも、他の兄弟を我慢させる、
やりたいことに付き合う。
約束を必ず守ることで、
「どんな自分でも必ず受け止めてもらえる」という安全基地になるイメージです。
本当に困ったとき、心が疲れてしまったときに、頼ってもらえる関係を続けるためにとても大事なポイントです。
このようなやり取りを繰り返して、
Type3のお子さんが、自分の気持ちに素直になれる時間を意図的に設定することに注意を払ってあげればいいのではないかと思います。
嗅覚反応分析ではその方のバランスをより詳しく分析することで、その方に特化した栄養面や運動面のアドバイスをさせて頂きます。
最後に
この記事を書いているわたし自身も、ついつい日々の喧騒に任せて、一日乗り切れればそれでよし、となることも多く、子育ての難しさが身に沁みます。
我が家の上の子は、前回の記事にも出てきましたが、基本的にType4を強く持っていますが、同時にこのType3も持っています。
なので、ついつい上の子に我慢をさせてしまうことも多いですし、上の子に助けてもらうこともすごく多いことを改めて感じました。
子育ての特効薬にはなれないけれど、
本サイトを訪れてくださった方の毎日が、より良いものになりますように。